隠岐ユネスコ世界ジオパークである隠岐諸島は、地球のプレート活動や火山活動によって造られた大地と、その大地の上に広がる生態系、そして、私たち人の営みである歴史や文化などのつながりを楽しく知ることのできる場所です。言い換えれば、地球の仕組みを知ることができる場所なのです。
隠岐諸島は、約500~600万年前の火山活動によって日本海に誕生した離島で、約2500万年前から始まったとされる日本海形成というダイナミックな地殻変動の記録をとどめています。また、その植生は、亜寒帯の植物が暖温帯の植生に混交して見られる独特なものとなっています。 さらに、火山活動の産物である黒曜石に始まる古代からの歴史や文化が、神社やそこで行われる祭祀の中に息づいています。
地質、植生、歴史文化のつながりから地球のしくみ知る旅へ
日本の滝百選にも選ばれている壇鏡の滝や、夜になると幻想的な光を放つ、ウミホタルやヤコウチュウ。また、トカゲが崖を上っているような奇妙な形をした「トカゲ岩」や代表的なトレッキングコースである隠岐自然回帰の森など、その他にも隠岐の島町には珍しい植生や地質が見られるポイントが盛り沢山。島後で古代隠岐の息吹を感じてみませんか?
「大地」「生態系」「人の営み」をめぐり 隠岐の不思議のただ中へ
- ①玉若酢命神社
- ②水若酢神社
- ③伊勢命神社
- ④隠岐国分寺跡
- ⑤ローソク島
- ⑥壇鏡の滝
- ⑦八百杉
- ⑧かぶら杉
- ⑨岩倉の乳房杉
- ⑩白島海岸
- ⑪那久岬
- ⑫トカゲ岩
- ⑬屏風岩
- ⑭浄土ヶ浦海岸
- ⑮海苔田鼻
- ⑯油井の池
- ⑰都万の舟小屋
- ⑱福浦トンネル
玉若酢命神社
玉若酢命を主祭神とする神社で、隠岐造りの本殿・随神門・旧拝殿、ともに国指定重要文化財になっております。毎年6月5日には隠岐の三大祭りの一つである「御霊会風流」が行われます。
水若酢神社
延喜式神名帳に名神大社と記されている隠岐国一宮。本殿は、隠岐造りで国指定重要文化財です。西暦偶数年の5月3日には、隠岐三大祭りの一つである「水若酢神社祭礼風流」が行われます。
伊勢命神社
西日本最大の黒耀石産地である隠岐の島町久見集落の神社で、この地の氏神と言われる伊勢命を祀っています。 7月の例祭で夜を徹して奉納される「久見神楽」は、県指定無形民俗文化財です。
隠岐国分寺・後醍醐天皇行在所跡
聖武天皇の詔によって建立された隠岐第一の寺院跡で、後醍醐天皇の行在所跡です。遺構発掘調査中、奈良朝時代に創建された隠岐最大級の建物跡として確認されました。国指定重要無形民俗文化財です。
ローソク島
隠岐の自然が創り出した巨大なオブジェ。海上に浮かぶローソク島に火が灯る瞬間の光景は、いつまでも訪れる人の記憶に残ります。また、ローソク島遊覧では、鉄砲岩、馬背島などの奇岩も見ることができます。
壇鏡の滝
壇鏡の滝の水は古くから特別な水として信仰されてきました。滝の水を飲むと勝負事に勝つ「勝ち水」といわれ、今日でも島内で行われる伝統的な牛突きや相撲の試合の前日に関係者が水を汲みに訪れます。
八百杉
玉若酢命神社の境内には、「八百杉」と呼ばれる樹齢千年を超える杉の巨木がそびえ立っています。若狭の国の八百比丘尼(やおびくに)が植えた杉であることから、いつしか八百杉と呼ばれるようになりました。
かぶら杉
樹齢約600年と伝えられるこの巨大な杉は、根元から1.5mほどのところで6本の幹に分かれ伸びています。その特異な樹形から、昔使われた鏑矢(かぶらや)の先に似ていることが名前の由来となっている説があります。
岩倉の乳房杉
岩倉神社の御神木で、その姿からは威厳さえも感じられます。主幹は地上4~8mで15本に分岐しており、その分岐している部分から大小24個の乳房状の根が垂れ下がっていることから母乳の神として崇拝されています。
白島海岸
真北に突き出た白島崎と、白島・沖ノ島等の小島を合わせて白島海岸と呼んでいます。青い海に浮かぶ白い岩肌、松の緑が織りなす鮮やかな色彩は訪れる人に深い印象を与えてくれます。
那久岬
神功皇后にまつわる伝説が残る那久岬は、古くから海上交通の要所でした。展望台横には灯台として使われていた灯篭が今でも建っており、那久の人々が毎日火を灯した当時の様子を偲ぶことができます。
トカゲ岩
布施地区の展望所では、全長26mの巨大なトカゲが崖を這いあがっているような風景を見る事ができます。日本三奇岩の一つともされており、節理に沿って岩石が崩落してこのような形が造り出されました。
屏風岩
鷲ヶ峰右側の西斜面には見事な柱状節理が発達しており、その形状から屏風岩と呼ばれています。約80mにも達する絶壁は、県下でも最大級の岩場景観を形成しています。鷲ヶ峰は古くは修験者の修業の場にもなっています。
浄土ヶ浦海岸
隠岐を代表する名勝地のひとつ。海岸沿いの遊歩道では、隠岐が湖の底であった時代の地質や、北方系、南方系、大陸性の植物が混在する不思議な環境を見ることができます。
海苔田鼻
中村地区の東側にある岬で、岬の先端部には、鎧(ヨロイ)岩、カブト岩と呼ばれる奇勝があり、追い詰められて海に身を投じた武士のよろいやかぶとが石化したという伝説があります。
油井の池
直径約250mの円形の池で、貴重な動植物の生息地となっています。周囲の地形から火口跡ではないかと考えられていましたが、最近の調査によって大規模な地滑りの上部にできたことが判明しました。
都万の舟小屋
20棟の舟小屋が整然と並び、その向こうに山岳信仰の場所であった高田山を望む風景は静かな漁村風景をたたずませています。近くには八尾比丘尼が植えたといわれる松原が広がり、日本の白砂青松百選にも選定されています。
福浦トンネル
交通の難所であった場所を、人がノミを使い手掘りで掘ったトンネル。海側が明治のはじめ、山側が明治34年にできたトンネルであると云われている。入口付近には地質学的にも貴重な黒曜石の断崖が見られます。